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オーガニックな感覚(短詩文芸・冠句・川柳・その他)

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素直な自分に自然な気持ちに スローな感覚 ほがらか笑顔

剣との散歩

梅雨空・・・くもり、雨は降っていない。

 9時過ぎに、散歩にでかけた。いつもの道を散歩する。田んぼ周辺の草刈などにぽつぽつと数人が精を出しているくらいで、人に会うことはなかった。のんびりと散歩。残念ながら、やはり、ため池の水鳥は・・・巣はなかった。姿もみえなかった。のんびりとした散歩は進む。散歩も終盤、のぼりから田舎道の交差したところで、おばあさんに会った。

 手押し車に片腕を添わせ、ゆっくりと上ってくる。おはようございますと挨拶をすると、おはようと答える。

 剣と一緒に家のほうに歩いていく。家のちかくで、剣が畑に生えている雑草の新芽を食べだす。ゆっくりと時間をかけて食べる。剣にとっては野菜不足を補っているのか、水分を取っているのか。食べている。

 そうしていると、先ほどのおばあさんが追いついて、語りかけてくる。

 暑いね。
 そうやね。うっとーしいね・・・
 
 あんた誰やった。
 すぐそこの○○ですよ。
 わたしゃ、目が見えんようになって。手術して、少しはみえるが・・・
 △△さんの隣の・・・

 そうだよ。

 91になる。判らんのじゃ。

 畑に行くの。
 もう畑は出来ん。
 こけて、背中が痛い。もう、年じゃから、なおらへん。
 死なんとなおらんか。
 そんなことないよ・・・・・・・・・・

 会話はまだ、続く。剣が座ってきいている。

 いつも、毎日のように家の前の畑の世話をしていたあばあちゃん。最近、あまり見なかった。誰にでも愛される、元気で、こころのやさしいおばあちゃん。足が少し悪く、腰も、背中も痛く、気持ちが少し弱っているのか?こんな言葉をきいたのは初めて。畑では腰はかがめているものの、手押し車を離して、草取りなどしていたげんきもの。

 娘のところに行くといって、ゆっくりと押していく。汗をかきながら。でも、まだ、達者。長生きしてねと剣と見送る。
 
by naochans_organic | 2005-07-10 11:24 | KenJr.

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